About wisdom teeth親知らずとは?
親知らず(おやしらず)は、通常は18歳ごろから生えてくる第三大臼歯、智歯(ちし)を指します。
日本人の平均寿命がまだ50-60歳代だったころ、親が亡くなったころに生えてくる歯、という意味で親知らずと言われるようになりました。
親知らずは、一般的に上下左右の4本があります。しかしレントゲンを撮影しても、全く生えてこない場合もよくあります。
Qquestion親知らずは必ず抜歯しなければならないのか?
「親知らず=抜歯」ではありません。親知らずが他の歯と同じく生え揃い、他の歯に影響を与えていない場合や、歯磨きで綺麗に管理できる状況でしたら、抜歯を行わないこともあります。
その理由は、欠損した部分に歯を移植する「自家歯牙移植」に使える場合があるからです。したがって、抜歯の必要性については、個別の状況に基づいて歯科医師と相談することが重要です。
親知らずは通常、お口の中で一番最後に生えてくる歯のため、生えてくるための十分なスペースがない場合、生える方向が斜めになった場合、問題を引き起こすことがあります。歯ブラシが入りにくいので歯磨きがしにくいこと、そして虫歯になりやすかったり、歯肉に炎症が起きやすくなったりします。
Merit親知らずを抜歯するメリット
親知らずを抜歯するメリットは主に3つあります。
口腔衛生の向上
親知らずは一番奥にあるため、日々の適切なケアが難しいことがあります。親知らずを抜歯することで、歯磨きなどの口腔ケアが容易になり、口臭の予防にもつながります。
歯肉炎や感染の予防
親知らずが部分的に生えている時、周囲の歯肉に食べかすが取り残されたりすることが多いので、歯肉炎(智歯周囲炎)を引き起こすリスクとなります。
痛みや不快感の軽減
親知らずが生えてくるための十分なスペースがない場合、前の歯や歯肉を圧迫することがあります。その結果、痛みや不快感を引き起こします。抜歯することで、これらの症状が軽減することがあります。
歯並びが乱れるのを防ぐ
親知らずが生えようとすることで、前の歯を押すという説があります。これ以上歯並びの悪化を防ぎたい場合に、上記1−3)のリスクもある場合は抜歯を検討してもいいかもしれません。
Lisk親知らずを抜歯する際のリスク
親知らずを抜歯するメリットは主に3つあります。
手術に関連するリスク
親知らずの抜歯は外科手術です。術後の出血、創部の感染、麻酔薬や内服薬に対するアレルギー反応(かゆみ、発疹)、手術部位の痛み・腫れなどがあります。
上あごの親知らずの場合
上あごの親知らずの上方には、上顎洞という空洞があり、鼻腔とつながっています。親知らずを抜くことで、この上顎洞とお口がつながるため、抜歯直後に鼻から空気や水分が出てくることがあります。
下あごの親知らずの場合
親知らずの近くに下歯槽神経と血管が通っている場合があります。直接損傷することは少ないのですが、抜歯の操作によって圧迫する可能性があり、あご先、下唇のしびれが長期間出現することがあり、なおかつ完全回復しない場合もあります。
Conservative Dentistry親知らずを残すメリット
親知らずを抜歯するメリットは主に3つあります。
自家歯牙移植
手前の歯が虫歯や歯根が割れるなどして抜歯しなければいけない場合、親知らずを移植することがあります。親知らずの大きさ、綺麗さなどから検討します。
手前の歯がなくなった場合にブリッジなどに使える
親知らずの手前の歯が抜歯でなくなった場合、ブリッジや義歯(入れ歯)の土台として親知らずが使える場合があります
Case親知らずを活用した自家歯牙移植の症例
大きな虫歯があり、歯の保存が難しい
虫歯が大きく、保存することが難しく、やむなく抜歯となりました。
抜歯部に親知らずを移植
抜歯後はブリッジ・部分入れ歯・インプラントという選択肢が一般的ですが、親知らずが活用できることがわかったため、移植しました。
移植した親知らずの処置
移植した親知らずの神経を取り、歯の土台としました。天然歯にしか無い歯根膜を残すことができました。
クラウンをして治療完了
最終的にクラウンを被せて、自家歯牙移植が完了しました。
症例概要
治療のリスクについて | 術後疼痛の可能性あり。 術後腫脹をする可能性あり。 術後すぐは歯の動揺が見られる可能性あり。 喫煙による傷の修復が遅れる可能性あり。 |
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費用 | 移植手術:66,000円 顕微鏡を使用しての神経処置:66,000円 被せ物(ジルコニア):126,500円 合計:258,500円 |
Treatment Flow親知らずを抜歯する流れ
事前処置
親知らずの周囲を綺麗にして、表面麻酔をおきます。
麻酔
親知らずの周囲に麻酔をし(浸潤麻酔)、時間をおきます。
治療の開始
歯肉を切開し、少しめくります。
親知らずが抜けない場合、親知らずの周囲を削ったり、親知らずを分割するなどして抜去します。
歯肉を縫合し、出血しないことを確認して終了です。